2025年10月4日 コラム 道教委「2025高校入試選抜状況報告書」から

今春の公立高校における合格者平均は244.8点で
昨年の合格者平均点212.9点を30点以上上回る結果となりました。
昨年までの平均点が40点前後だった社会・理科・英語のうち
社会と英語は50点近くまで回復し
国語も昨年の平均点を10点程度上回りました。
<教科ごとの正答率・出題内容について>
・国語
合格者平均は56.9点で昨年の46.4点よりも10点ほど上がり、やや易しい出題でした。
大問1 小問集合
大問2 文学的文章
設問で問われている内容の読み取りが難しく、どのように解答を書けばよいかわかりづらい問題もありました。
大問3 実用的文章
条件を踏まえ、会話の内容から読み取ったことを自分なりにまとめる力が求められました。
・数学
合格者平均は48.8点で昨年と同程度で、正答率が5%を下回るような極端な難問はありませんでした。
大問1 計算問題
大問2 データの活用
確率や標本調査に関する根本的な理解が問われる問題でしたが、数学の用語を使って簡潔に説明する力が求められました。
大問3 関数
身近な事象(電車の速さ)について関数を利用して考察する問題でした。
文章とグラフや図の読み取りが非常に多く、解答に必要な情報を素早く読み取り立式する力が必要でした。
大問4 図形
近年の平面図形の中では比較的易しい問題でした。
大問5 図形・データの活用
三平方の定理を利用して場合分けし、確立を求めるまでの手順が長く、正答にたどりつけない生徒が多くいました。
・社会
合格者平均は49.6点で昨年の38.2点よりも10点ほど上がりました。
昨年は正答率が80%を超えた問題が1問もありませんでしたが、今年は正答率90%台の問題が2問、80%台が2問ありました。
大問1 小問集合
大問2 歴史分野
記述問題は与えられた資料の情報を既習の知識と結びつけて表現する力が求められました。
大問3 地理分野
世界地理、日本地理ともに資料を利用した問題が出題されました。
大問4 公民分野
3分野の中でも解きやすい大問でした。衆議院の優越の問は定期テストでも問われる定番の内容でした。
・理科
合格者平均は40.9点で昨年の38.5点よりもやや上がりました。
正答率90%台の問題がなく、80%台が3問、70%台が7問と過去2年より70%以上になった問題数が増加しました。
大問1 小問集合
大問2 生物分野・いろいろな生物とその共通点
大問3 科学分野・水溶液とイオン
思考力・判断力・表現力が必要とされました。
このような問題は今後も出題が予想されるため、十分な対策が必要です。
大問4 物理分野・電気の世界
大問5 地学分野・大地の変化
計算を要する問題もあり中間点を得た生徒も多くはありませんでした。
・英語
合格者平均は48.6点で昨年の41.0点よりも7点程上がりました。
小問数34問のうち、正答率が20%以下の問題は6問(昨年は13問)でした。
大問1 リスニング
大問2 短文読解
大問3 長文読解
英問英答や空欄補充の問題では正答率が低く、この傾向が今後も続くと予想されます。
大問4 英作文
スペルミスや文法ミスでの失点が多くありました。
教科別の得点分布では、国語・社会は得点の低い生徒が昨年に比べ減っているのに対し
理科と英語は依然として20〜30点の生徒が最も多く
学力下位の生徒たちには厳しい問題だったことがわかります。